日別アーカイブ: 2018年6月12日

フィンランドでは誰もが食堂をオープンできる

住まいの中心はキッチンにあります。それは「食」が人生の中心に
あるからではないでしょうか。フィンランドには誰もがどこにでも
食堂を開くことのできるレストランディという国民的行事があるほ
ど! 食には人生をポジティブにするすごいパワーがあるのです。
チェアハウスのベーシックな間取りプランでは、キッチンをその中
心に設けています。そしてキッチンから洗面室、浴室、トイレとい
った水回りへの動線を機能的に描き、本来の意味において〝無駄な〟
空間を省きました。
キッチンはじぶん好みの造作で造ることも、キッチンメーカーの〝収
納性に優れた〟システムキッチンで造ることも出来ます。大切なこと
は、使いやすく機能的なキッチンを選ぶこと。ここでも、じぶんらし
い暮らしを編集するというポジティブな感覚を優先します。

 

曲線が美しいチェア

玄関からつながった土間テラスの上に、
チェアハウスのネーミングの由来になった木製チェアがあります。
曲線が美しいチェアは、とてもオープンで、思わず座りたくなります。
これは、昔の日本家屋にあった濡れ縁を現代風にアレンジしたものです。
晴れた日にここに腰掛けていると、通りかかった人が話しかけてきます。
自然な形で会話が生まれるのです。
先端を優しい曲線にすることで、家そのものが持つ個性にも柔らかさを
プラスしたチェアは、コミュニケーションデザインを意識したものです。
それは、住まい手の繊細な心遣いを外に向けて表現しているもの。
ここに、よく見かける角ばったウッドデッキは似合いません。
それだと、とても無骨だと思いませんか?
それでは、美しくないし、洗練されていません。

木は腐るのでは? と聞かれることもあるのですが、
自然の雨風に耐える外観をパッケージすることを意識しているので、
外壁のコンセプトウォール(写真はブラックウッドです)同様、
〝腐らない木〟を使っていて、メンテナンス上も安心です。
つまり美しく枯れていくプロセスも意識していて、
それを見て交わされる「いい感じに色あせてきましたね〜」とか
「いつ座っても暖かいですね〜」といった住まい手と訪問者の
会話までデザインイメージしています。

シンプルで美しい曲線を持ったチェアは、
まさに、一脚の椅子をイメージさせます。